写真及びへなちょこショートショート


by shichirio
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職業交換所 room 2

扉をあけると、小太り中年の毒々しい化粧の女性がカウンターに座っていた。
一瞬とまどったが、「ここはどんな・・・ いや・・何を・」言葉を制止するかのようにその女性は、一枚の紙を差し出した。
「住所、電話、性別 そこに書いてね」「あ・・希望の職種ね」「あとから、連絡するから・・うん・・会費の支払い先だから・・」
後で後悔してしまうだろうが、財布からなけなしの現金を出した。「やべ~、今月まいったなあ」心で思ったが、世間の勉強だと思ってあきらめた。
ほんとうに連絡が来るのだろうか・・・。
後悔しても始まらない。もうこんな出勤はごめんだ。半ば、自分を納得させる理由を心で繰り返していた。
数日経って、書面で通知が来た。
そこには、出勤先、日付、時間が記載されていた。「出勤されない場合は、あなたのすべての記録は抹殺され社会に受け入れられません。」
もう、今までの会社には戻れないのか?・・身震が体を襲った。
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出勤当日が来た。
いつもと変わらぬ少し肘のよれたスーツを着ていつも通り家を出た。
指定された場所は、電車で一駅の所で「ずいぶん近くなったな。きっと、誰かが俺の会社へ代わりに出勤しているかも知れないな。しかし、そんなことはどうでもいい」不安と、希望が心で入り乱れていた。
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by shichirio | 2010-11-03 18:57