写真及びへなちょこショートショート


by shichirio
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デス・ノート

「ははは、とうとう手に入れたぞ!
これで、もう苦しい思いをしなくなる。
ざまあみろ・・・俺様は無敵になった。」
男は、一冊のノートを手に取り叫んだ。
「マンガや映画で見たことがあるが、本当にあるとは知らなかった。
しかも、今この俺の手の中にある。・・・ははは」
死神が現れ男に言葉をかける。
「おまえは、運のいい奴だな。誰かに殴られ金をせびられたのだが、ちょうど俺のいた場所。かわいそうに思ったおれが、与えてやったのだ。」
せいぜい、そのノートを使うがいい。ふふふ・・」
死神は、そう言い残し消えた。
「やっぱり、噂は本当だった。少々痛い目にあったが、この場所が死神の現れる場所、恨みを持たせ、その恨みを晴らさせるために、このノートを使わせる。死神にとって、人の魂を手に入れることが最大の目的。だから、恨みを持つ者に与えるのだ。」
男は、いつものスナックに入った。
「あ~ら、いらっしゃい」
薄明かりの中で化粧のはっきりしたママが言った。
「今日はね、新しい子がいるのよ、紹介するわ」
「よろしくお願いしますですよ。」
どこか、発音が違う女。たわいのない話で盛り上げる。
男はふと奥に目をやるとその男を殴り、金を盗った奴。
「ふふふ、このノートを使う時がこんなに早く来るとは、」
男は、女に奴の名前を尋ねそして密かにノートに書く。
(・・・は、女に声をかけられ死ぬ)
しかし、いくら女に声をかけられても死ぬ様子がない。ますます盛り上がる。
「変だな、これはデス・ノートだ。死なない訳はない。」
「ねえねえ、そのノートはなあにですぅ。」と女。
「これは、デス・ノートさ、名前を書かれた奴は死ぬのさ」
「あ~ん、面白そうですぅ!」女は、男からノートを取り上げ、
(やっちゃんは、あたいから離れると死ぬです。)と書く。
「これは、困ったな。しかし、奴が死なないなら、おれも大丈夫だな」
終電も近くなった男、女に送られ店を出る。
数歩歩いた時、男は胸に痛みを感じる。
「しまった、あのノートには・・・が必要だったのか。」もうろうとなる意識の中で気がついてももう手遅れ。
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by shichirio | 2011-01-29 14:20