写真及びへなちょこショートショート


by shichirio
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独身寮

「おはようございます」
明るい声が響く午前7時
寮生が次々と会社に出勤する。
今日は、金曜日。昔から花金と呼ばれ少し帰寮が遅れる。
上司、同僚、同期などと帰寮途中で宴会が始まる。
男Aは言った「うちの寮にもう四年、もうだいたいの顔は知っているが誰も知らない奴が住んでいるらしい」
男B「うちの寮は、5年が期限だろう。居てもおかしくはないな。そうだ、俺も同期だから来年出なければならないな」
男A「いやいや、そんなんじゃあない誰も知らないんだ」
男B「うむ・・」
男A「三年前の先輩の話だけどな」「所属も名前も知らないらしい」
男B「そう言えば、洗濯室で挨拶したんだけど返事がない者がいたな」
結局その人物の特定はできなかった男二人。
程よく酔った二人、帰寮途中不思議な男を見かける。
深夜二時 不審な男の姿を目撃する。
花を持ち門の前に置く。
男A「おかしいぞ、こんな夜更けに・・」
男B「あいつじゃないのか?」
門まで近づくとその男の体は、男Bを突き抜ける。
男B「あっつ・・・」
男A「幽霊か・・?」
男二人は、門の中の寮の建物を見る。「あれは・・・」
3年前に、関東で起きた大地震に崩れ落ちた寮、寮生は一人を残して全員死亡。
壊れた寮は撤去されたが、残った一人は供養のため毎年、地震発生時刻に寮の跡地に来て涙をこぼす。
そして、浮かばれない寮の亡霊達が何も知らずに今日もまたそこから通勤し宴会をする。
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by shichirio | 2011-04-15 18:04