写真及びへなちょこショートショート


by shichirio
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独身型都市

おれは足早に会社を出た。
電車に乗り約1時間の退屈な通勤時間を我慢しある町の駅に到着した。
夕食にはまだ時間がある。駅すぐの24時間スポーツジムで1時間ほど汗をかき、シャワーを浴びる。洗濯ものは、スポーツジムにある洗濯機で洗う。
お腹がすいたところで、近くの居酒屋で一杯。食事も合わせてとる。その後、軽くカラオケで気分ばらし。
インターネットカフェに寄り、情報収集し家へ帰る。
俺のマンションは、1Tだ。Tとは、トイレのみである。
今やここは、この間取りが主流だ。部屋には、ベッドがあるだけだ。
朝、頼んでいたモーニングコールで目覚める。
マンション近くの朝食屋でガマガエルのようなおばさんの朝食をとり、弁当を作ってもらい、(これがけっこうウマい)スポーツジムに寄り身なりを整える。
24時間のジムなのでクリーニングもできる。とても便利だ。
家から駅まで約5分ぐらいの距離の中に、生活一式がそろっているのだ。
しかも、独占企業ではなく、いろいろなお店があるのだ。
支払いはすべてクレジットでマイルも付く。
この通りすべてがおれの家庭のような存在になっている。
時には、居酒屋でぐちをこぼし、朝食屋で叱られる。
ジムでは、スポーツ仲間と語らい。カラオケを楽しむ。
彼女ができれば、近くのホテルで愛し合う。
このような独身者数万人がここで生活している。
皆、この生活に慣れ、満足している。
田舎なんかへは行かない。虫がいるし、蛙がうるさい、まして肥え溜めの匂いがし、草の青臭さが鼻につく。
電車は、皆無、乗合バスは1時間に1本。商店にはいつのものかわからない商品が並んでいてしかも選ぶことはできない。
不便きわまりないのだ。
どの様な人生がいいのか判らないが、俺にはこの街が気に入っている。
朝が来た。
さあ出勤だ。
毎日が、同じことの繰り返し・・・・・・
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by shichirio | 2012-06-13 18:49