写真及びへなちょこショートショート


by shichirio
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大人

俺はようやく都会の駅にたどり着いた。
俺は、田舎を離れることができぬまま50歳を過ぎようとしていたが、
ある日、突然思い立ち、重い腰を上げ、ようやく10時間ほどをかけ都会へやってきたのだ。
駅では見たこともない沢山の人が往来して、足早に過ぎ去っていく。
しかも、男は、殆どが黒い背広を着て歩いている。
初めは、葬式か、結婚式が多いところだなと思ったが、皆、蟻の行列のようにぞろぞろと足並みをそろえながら同じ方向へ進んで近くのビルに吸い込まれていく。
「あ~ タバコが吸いてえ・・」おれは、ずっと電車のなかで我慢をしていたが、急にタバコが吸いたくなった。
近くのコンビニ入りタバコを買おうとした。
「ねえちゃん・・「しんせい」一つ・・」
「はああっ?無い?じゃ、なんでもいいよ・・そこの赤白のでもいいや・・」
すると、店員は、「お客様、年齢の確認をしたいのですが、年齢を確認できるものはありますか?」
「おめ~顔見たらわかるだろうよ」
「決して、お若くは感じませんが・・とりあえず確認したいんですけど・・」
「そんなものねえよ」
「困りましたね~、それではちょっと、お売りできないんですけど・・」
押し問答になったが、俺はあきらめた。「まったく・・馬鹿か・・」
俺は、その店をでた。
畜生、それなら、ビールでも飲んで気晴らしするか・
俺は違うコンビニに入った。
「兄ちゃんよう・・このビールくれよお」
「いらっしゃいませ・・あのう・・年齢確認したいのですが、免許証か保険証お持ちですか?」
「またかい・・そんなもん持ってるわけねーだろう」
「あ~申し訳ありません。年齢が確認できないとお売りできない事になっておりまして・・・」
「しかたね~なあ」
ぶらぶらしていると、パチンコ屋がある。
また、免許証なんて言われかねないので思い留まった。「ま、金は持っているが、やめとこう」
俺は、なんて、都会の大人はめんどうになったなと思う。
すると、俺は、歩いているうちに何が書いてあるか意味不明な店にたどりついた。
「何だ? この店は?」
DVD、B-LAY、GAME、意味不明だ。
中に入ってみると、薄いテレビに向かってなにやら、動いている。「ほほう・・あの映ってる絵となにやら遊んでいるんだな」
なんとなく近づき、近くの子供に教えてもらいやってみる。
「ほほう、面白いな」俺は何度も続けた。
子供は、「僕にもやらせてよ」
とせがむ。俺は夢中だった。「これは、面白い、何度でもできるのがいいなあ」
すると、店員が来て「おじさん、もうそろそろお止めになったらいかがですか」
「子供の前でいい大人が恥ずかしくありませんか」
俺は言った。
「年齢確認するものは持ってないぞ・・おれは、大人じゃない」
店員は、「馬鹿かこいつは・・・・」
俺は、また言った「大人の確認はとれてないぞう・・・・・」
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by shichirio | 2012-07-03 18:49