写真及びへなちょこショートショート


by shichirio
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受付嬢 その4

珠美は、心を決め、おそるおそるドアを開けた。
そのこぢんまりした6畳ほどの部屋には、受付の机と電話、パソコン。一つのロッカーだけがあった。
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「すみません」
声を出してみたが、だれも居る気配はない。
隠しカメラやマイクがあるのではないかと周辺を見回したがどうやら無い様子だ。
「あのう・・すみません」
再度声を出したが、返答はあるはずもない。
部屋を間違えたかと思い、ドアの外に出て名前を確認した。「やっぱりここだわ。」
「お給料はもらえるのかしら・・」「雇用保険はあるのかしら・・」「厚生年金や、健康保険はどうかな・・・」いろいろ考えを巡らしたが何も思いつかなかった。
珠美は、パソコンの電源を入れて見た。
すると、1通のメールが届いていた。
「御入社おめでとうございます。給与は、毎月銀行口座に振り込まれます。ボーナスは、年2回6月と12月です。厚生年金、雇用保険、健康保険は保証されており支払う必要はありません。
事務準備費として10万円を支給いたします。」
「はあ?。私は入社したのだ?。でも、いったい何をすればいいのだろう・?」
そう思いつつ机の引き出しを開けると、就業時間と事務準備費の10万円がそこにあった。
私は、受付嬢なのだ。でもいったい何を受け付ければいいのだろう・・だいたい誰がこの会社を経営しているのだろう。課長は、専務は、社長は・・・?
いつしか夕方になり、途方にくれた1日が終わった。
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by shichirio | 2008-03-27 18:46