ふるさと
2008年 04月 04日
久しぶりに実家へ電話した。
母さんが、弱々しい声で「元気だよ・・」と返事をした。
そうか、20年以上連絡をとっていなかった。
もう、80歳近くまで年をとっている。
気がつかなかった・・。
話したい事がたくさんあったが、頭の中は真っ白だった。
母さんの声は、まるで昨日聞いたようで、懐かしさは感じられなかったが
その声からは長い年月が感じられた。
「そろそろ、俺も50歳だ。じいさんの仲間入りだね」
「家が懐かしくなってきたよ」
「近所の人たちは元気かい」
「元気だよ・・」と母さんは答えた。
「そうそう、父さんの墓参りもずいぶんしていなかったね」
「姉さんや、兄さんたちとも会いたいな」
「元気しているかなぁ」
「元気だよ・・」と母さんは答えた。
「それに、学校の友達もどうしているかな」
「僕の憧れだった人ももう、おばあちゃんだね」
「そうそう、一番の友達だったあいつの孫が生まれたんだってね」
「担任の先生はどうしているのかな」
「体調崩したって聞いたけど、元気にしているかなぁ」
「元気だよ・・」と母さんは答えた。
それから、僕はたわいもない話題を母さんに話し続けた。
・・・・・。
「それじゃ、近い内に、母さんに会いに行くよ」
「それまでに、元気でいてくれよ」
「元気だよ・・」
「それじゃ」僕は電話を切った。
1ヶ月後、僕は思いっきり休暇をとって古里へ帰った。
何もかもが、変わらなかったが少し小さく感じられたこの風景、この道のり。
初夏のみずみずしい臭いが漂い、木々の間からは鳥の声が聞こえた。
「古里はいいなぁ」
懐かしさのあまりに何故か足早に実家へ向かっている。
ここを少し上って左だ。成長した木々は五月蠅いほど風にざわめいていた。
「あっ・・・」僕は言葉を失った。
そこには、誰もいない荒れ果てた小さな家が残っていただけだった。
母さんが、弱々しい声で「元気だよ・・」と返事をした。
そうか、20年以上連絡をとっていなかった。
もう、80歳近くまで年をとっている。
気がつかなかった・・。
話したい事がたくさんあったが、頭の中は真っ白だった。
母さんの声は、まるで昨日聞いたようで、懐かしさは感じられなかったが
その声からは長い年月が感じられた。
「そろそろ、俺も50歳だ。じいさんの仲間入りだね」
「家が懐かしくなってきたよ」
「近所の人たちは元気かい」
「元気だよ・・」と母さんは答えた。
「そうそう、父さんの墓参りもずいぶんしていなかったね」
「姉さんや、兄さんたちとも会いたいな」
「元気しているかなぁ」
「元気だよ・・」と母さんは答えた。
「それに、学校の友達もどうしているかな」
「僕の憧れだった人ももう、おばあちゃんだね」
「そうそう、一番の友達だったあいつの孫が生まれたんだってね」
「担任の先生はどうしているのかな」
「体調崩したって聞いたけど、元気にしているかなぁ」
「元気だよ・・」と母さんは答えた。
それから、僕はたわいもない話題を母さんに話し続けた。
・・・・・。
「それじゃ、近い内に、母さんに会いに行くよ」
「それまでに、元気でいてくれよ」
「元気だよ・・」
「それじゃ」僕は電話を切った。
1ヶ月後、僕は思いっきり休暇をとって古里へ帰った。
何もかもが、変わらなかったが少し小さく感じられたこの風景、この道のり。
初夏のみずみずしい臭いが漂い、木々の間からは鳥の声が聞こえた。
「古里はいいなぁ」
懐かしさのあまりに何故か足早に実家へ向かっている。
ここを少し上って左だ。成長した木々は五月蠅いほど風にざわめいていた。
「あっ・・・」僕は言葉を失った。
そこには、誰もいない荒れ果てた小さな家が残っていただけだった。
by shichirio
| 2008-04-04 18:03